02 / 04Real Estate 最終更新 [日付未確定]

不動産

サウジアラビア不動産市場に関する制度・実務を整理します。 2026 年 1 月 22 日に施行された外国人による不動産所有の解禁について、対象ゾーン、資産クラス、取引税、越境送金、税務論点の項目を扱います。 特定の物件・案件の紹介や販売斡旋は行いません。「おすすめ物件」の掲載もありません。

01Market Segments

セグメントの整理

REPI の基準年は 2023 年です。GASTAT は不動産総合庁・司法省・サウジ中央銀行と連携し、地理空間 AI(Geo AI)モデルを用いた新方式で算出しています。四半期ごとに更新されます。

最終更新:2026 年 8 月
不動産価格指数(REPI)セクター別・前年同期比
時点:2026 年 第 2 四半期 / 基準年:2023 年
REPI セクター別・前年同期比(2026 年 Q2)
セクター 前年同期比
総合指数+1.3%
住宅 +2.6%
商業 −3.2%
農業 +11.3%
農業セクターの前年同期比 +11.3% は、農地価格の +11.3% によるものです。前期比は +1.3% で、これも農地価格の +1.3% によります。出典資料では農業セクターの価格変動は農地価格により説明されています。
商業セクターは指数内ウェイト 25.4% と出典資料に記載されています。
住宅セグメント別・前年同期比
時点:2026 年 第 2 四半期
住宅セグメント別・前年同期比/前期比
種別 前年同期比 前期比
住宅用地 +6.3%+6.1%
アパート +1.1%+0.9%
ヴィラ −9.7%−2.1%
住宅フロア +0.4%−1.1%
住宅セクター全体は上昇していますが、内訳では用地が上昇、ヴィラが下落と方向が分かれています。セグメントを区別せずに「住宅価格が上昇」と述べることはできません。
商業セグメント別・前年同期比
時点:2026 年 第 2 四半期
商業セグメント別・前年同期比/前期比
種別 前年同期比 前期比
商業用地 −3.5%+1.1%
ビル −0.6%−0.3%
展示場・店舗 +0.4%+3.8%
地域別・前年同期比
時点:2026 年 第 2 四半期
REPI 地域別・前年同期比
地域 前年同期比
リヤド +4.2%
マッカ +0.4%
ジャウフ +10.4%
北部国境 +4.6%
ハイル −10.1%
カシーム −5.4%
マディーナ −4.5%
バーハ −2.8%
全国総合が +1.3% である一方、地域差は +10.4% から −10.1% まで開いています。全国平均で地域市場を語ることはできません。
出典資料に掲載された全 13 地域のうち、変動幅の大きい主要地域を抜粋しています。
前期比(2026 年 Q1 → Q2)の要約
総合
+3.0%
住宅
+3.7%
商業
+1.0%
農業
+1.3%
022026 Reform

非サウジ人不動産所有制度の現況

2025 年に「非サウジ人による不動産所有・投資法」が制定され、2026 年 1 月 22 日に施行されました。2026 年 6 月 23 日に閣僚会議が施行規則と指定地域を承認し、7 月 3 日に公布されたことで、外国個人・外国法人による不動産取得の枠組みが具体化しています。

制度の枠組み

  • 2025 年に「非サウジ人による不動産所有・投資法」が制定され、2026 年 1 月 22 日に施行されました。
  • 2026 年 6 月 23 日に閣僚会議が施行規則と指定地域(Geographic Scope Document)を承認し、2026 年 7 月 3 日に公布されました。従来の個別承認方式から、指定ゾーンに基づくルールベース制度へ移行しています。
  • 登録・支払・権利証発行は REGA が運営する単一の電子プラットフォームに一元化されており、SAMA の決済インフラと連携しています。
指定地域の例(REGA 指定地域より)
区分 指定地域の例
リヤドKing Abdullah Financial District、Diriyah Gate、New Murabba、Qiddiya、King Salman Park、King Salman International Airport、SEDRA、Sports Boulevard
ジェッダJeddah Central ほかジェッダ県内の複数開発区域
ギガプロジェクト・観光NEOM、AMAALA、Red Sea Project、AlUla の指定区域
経済特区・産業地域Jazan、Ras Al-Khair、King Abdullah Economic City
指定地域は更新される可能性があります。個別物件の適格性は REGA 指定区域マップ で必ず確認してください。

個人(非居住外国人)の所有要件

  • 内務省が発行する電子 ID の取得
  • 本人名義のサウジ国内銀行口座の開設
  • 本人名義のサウジ国内連絡先電話番号の取得
費用・罰則
項目 内容
不動産取引税(RETT)5%
非サウジ人の処分に対する REGA 手数料2%(リヤド、マッカ、マディーナ、ジェッダ)
0% 適用の類型(1)4 都市外に所在する不動産に係る物権の処分/(2)相続、公共の利益のための収用、または確定した司法判断に基づく処分/(3)ワクフまたは公法人への処分/(4)元の非サウジ人所有者への 180 日以内の返還(物件の記載および対価に変更がないこと)/(5)共有者間の共有物分割(いずれの当事者の持分も増加しない場合)/(6)認定された外交使節団または国際・地域機関による処分(相互主義に基づく)/(7)個人から本人が全額を所有する国内の会社またはファンドへの処分/(8)非サウジ人が土地を所有しライセンス期間内に開発した開発済みユニットの売却(ライセンス満了後 1 年以内の売却)
一般違反警告または権利価額の 5% 以内の罰金(上限 SAR 1,000 万)
所有権取得における故意の詐取権利価額の 5% の罰金(上限 SAR 1,000 万)および物権の強制売却
虚偽情報(外資参加サウジ法人)/検査官の職務妨害/15 日以内の届出義務の不履行/違反の是正不履行反復により加重(初回は警告から 0.1~1%、3 回目は 2~3%)。上限は SAR 400 万まで引き上げ

REGA が徴収する所有手数料 2% は、リヤド・マッカ・マディーナ・ジェッダの 4 都市内に所在する物件を非サウジ人が処分する場合に適用されます。法律上の上限 5% (Article 9)は規則により将来引き上げられる可能性があります。0% が適用される類型としては、(1)4 都市外に所在する不動産に係る物権の処分、(2)相続、公共の利益のための収用、または確定した司法判断に基づく処分、(3)ワクフまたは公法人への処分、(4)元の非サウジ人所有者への 180 日以内の返還(物件の記載および対価に変更がないこと)、(5)共有者間の共有物分割(いずれの当事者の持分も増加しない場合)、(6)認定された外交使節団または国際・地域機関による処分(相互主義に基づく)、(7)個人から本人が全額を所有する国内の会社またはファンドへの処分、(8)非サウジ人が土地を所有しライセンス期間内に開発した開発済みユニットの売却(ライセンス満了後 1 年以内の売却)の 8 類型が定められています。RETT(5%)および VAT とは別個の負担です。

罰則は 3 区分に整理されています。一般違反 (Article 10)には、警告または権利価額の 5% 以内の罰金(上限 SAR 1,000 万)が科されます。所有権取得における故意の詐取 (Article 12)については、権利価額の 5% の罰金(上限 SAR 1,000 万)に加え、物権の強制売却が命じられます。虚偽情報(外資参加サウジ法人)、検査官の職務妨害、15 日以内の届出義務の不履行、違反の是正不履行については、施行規則で定める違反・罰則表(条番号は原文で未特定)に基づき、反復により加重され(初回は警告から 0.1~1%、3 回目は 2~3%)、上限は SAR 400 万まで引き上げられます。

取得可能な権利

所有権のほか、ウスフルクト(usufruct)、地役権(easement)等の物権(in-rem rights)を取得可能です。ゾーン、資産種別、買主区分、用途、規制により取得できる権利が異なります。英米法の fee simple と同一視できないサウジ法上の法定所有権である点にご留意ください。

マッカ・マディーナに関する取り扱い

指定地域内であっても、マッカ・マディーナには別途の保護規定が維持されています。指定地域外での国内非上場法人による取得については MISA の事前承認が必要です(マッカ・マディーナを除く)。指定地域内であれば MISA 事前承認は不要です。

本セクションは 2026 年 1 月 22 日に施行された制度の一般的整理であり、個別の投資判断・税務判断の助言を目的とするものではありません。宅地建物取引業法の観点から、本サイトは物件の媒介・代理・売買を行いません。
03Topics

扱う主なトピック

今後、以下の項目について記事を作成し順次公開します。実データを掲載済みの項目は、上記の各セクションを参照してください。

  1. T-01

    外国人所有解禁の対象範囲

    2026 年 1 月 22 日に施行された新法および 2026 年 7 月 3 日公布の施行規則における対象資産クラス(住宅・商業・混合用途・土地)、対象ゾーンと制限区域(メッカ・メディナの特別扱いを含む)、既存の限定的所有ルートとの関係整理。

  2. T-02

    取引税・保有税

    RETT(Real Estate Transaction Tax)の課税ベース、税率、還付・免除規定。White Land Tax(未活用地への保有税)の適用条件。VAT(15%)の取り扱いと不動産取引での位置づけ。

  3. T-03

    登記・賃貸実務(Ejar)

    MOJ(Ministry of Justice)系の電子登記システムと、賃貸契約プラットフォーム Ejar の位置づけ、外国人契約者の実務上の要件。

  4. T-04

    越境送金・資本移動

    SAMA 管理下での資本移動の枠組み、大口取引に関する書類要件、AML/CFT 関連の報告義務、日本の投資家からのサウジ側送金・還流の実務。

  5. T-05

    賃料・利回りに関する情報の取り扱い

    賃料指数・利回りは、公表されている公的統計・信頼できる調査機関の一次資料に限り引用します。断定的な利回り訴求は行いません。

  6. T-06

    REIT・トークン化

    Saudi Exchange 上場 REIT の位置づけ、および CMA Regulatory Sandbox 下の不動産トークン化事業者に関する制度整理。個別事業者の推奨は行いません。

04Articles

レポート・記事

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